富士の麓でボードゲーム日記

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【ボドゲ紹介】個人的に好きな2人用ゲームベスト3~第1位~

今回は個人的に好きな2人用ゲームベスト3の第1位の紹介です。

第1位 ロード・オブ・ザ・リング 対決

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第1位はライナー・クニツィア作のロード・オブ・ザ・リング対決です。クニツィアバトルラインブルームーン、ロストシティ、アンギャルドなど数多くの2人用ゲームの名作を世に出しています。このゲームはそれらに比べるとややマイナーですが、それらの名作にも劣らない魅力を持っています。なお、クニツィアロード・オブ・ザ・リングをモチーフとしたボードゲームを数多く作っていて、混同しやすいので注意が必要です。

 

ゲームテーマ

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片方のプレイヤーはロード・オブ・ザ・リングにおけるフロドとその仲間たち(白の軍勢)になり、フロドをモルドールの山にたどり着かせることを目標とします。もう片方のプレイヤーはサウロンの軍勢となり、フロドをモルドールの山にたどり着く前に倒すことを目標とします。

ゲーム内容

概要

ルールは、30代後半以上の方であればもしかしたらやったことがあるかもしれませんが、軍人将棋によく似ています。

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これが軍人将棋。プレイヤー2人+審判役が1人必要だが、ロード・オブ・ザ・リングは審判役は不要だ。

ボードのそれぞれの側に将棋のように駒を並べます。ただし、将棋とは異なり、相手からは何の駒なのか見えないように立てて並べます。
手番では将棋のように一つの駒を1マス前方に進めます。ボードを菱形に置いている関係上、前方へ進める際には2つのマスのどちらかを選んで進めるか、1つのマスしか進めない場合があります。特殊な能力がない限り、横や後ろへは進めません。
もし進めたマスに相手方の駒がある場合、戦闘が起きます。両者の駒をオープンして正体を明かします。
駒にはそれぞれ強さを示す数字と特殊能力が定められています。
正体を明かしたらまずはそれぞれの特殊能力で勝負します。
特殊能力で勝負がつかない場合は、それぞれが手札のカードを1枚伏せて出し、同時にオープンして駒の数字とカードの数字を合計して数字の合計が大きい方が勝利し、負けた駒はゲームから除外されます。ただし、カードにも特殊な効果を持つものがあります。
フロドと仲間たちはフロドをモルドールのマスに侵入させたら勝利、サウロンの軍勢はフロドを倒すか、ホビット庄に3駒侵入させたら勝利です。

プレイ時間は30分程度です。

白の軍勢キャラ紹介

フロド
戦闘力:1
特殊能力:防御側の時、横方向に退却できる。

サム
戦闘力:2
特殊能力:フロドと同じマスにいるときにフロドと共に正体を明かせば戦闘力が5になる。また、先にフロドが防御側になった場合、フロドの代わりに戦闘できる。

ピピン
戦闘力:1
特殊能力:攻撃側の時、後方向に退却できる。

メリー
戦闘力:2
特殊能力:死霊の王と対面した場合即座に倒せる。

ガンダルフ
戦闘力:5
特殊能力:戦闘でカードを使用する場合、相手に先にカードを公開させる。

アラゴルン(馳夫)
戦闘力:4
特殊能力:戦闘を起こすために横方向や後方向へ移動できる。

レゴラス
戦闘力:3
特殊能力:飛びナズグルと対面した場合即座に倒せる。

ギムリ
戦闘力:3
特殊能力:オークと対面した場合即座に倒せる。

ボロミア
戦闘力:0
特殊能力:戦闘で相討ちにできる。

サウロンの軍勢キャラ紹介

バルログ
戦闘力:5
特殊能力:カラズラスにバルログを置いていれば、相手がモリアの坑道を使った際に正体を明かせば即座にそのキャラクターを倒せる。

シェロブ
戦闘力:5
特殊能力:ゴンドール以外のエリアで敵を倒したら、即座にゴンドールへ帰還する。

死霊の王
戦闘力:5
特殊能力:戦闘を起こすために横方向に移動できる。

飛びナズグル
戦闘力:3
特殊能力:戦闘を起こすために相手のキャラクターが1人きりでいるマスへ移動できる。

黒の乗り手
戦闘力:3
特殊能力:戦闘を起こすために前方へ好きなだけ移動できる。

サルマン
戦闘力:4
特殊能力:戦闘でカードを両者とも使わないことを選択できる。

オーク
戦闘力:2
特殊能力:攻撃側の時、相手を即座に倒せる。但し連続戦闘の場合は1戦目のみ。また、フロド、ギムリ、ボロミアの特殊能力には優先しない。

ワーグ
戦闘力:2
特殊能力:相手は特殊能力を使用できない。

洞窟トロル
戦闘力:9
特殊能力:自分はカードを使用できない。

ルール詳細

ホビット庄モルドール、山のエリア以外の同じマスに入れる味方は2人のみ(ホビット庄モルドールは4人まで可)。味方が人数いっぱいにいるマスを通過することも不可。

・山のエリアでは味方は同じマスに1人しか入れず、飛びナズグルの特殊能力以外では一切横方向に移動できない。

・白の軍勢はモリアの坑道を使って山のエリアを通らずに移動できる。また、アンドゥイン川を下ることで横方向に移動できる。

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ボード中央部に山がある。山ではフロドの特殊能力が使えないため、白の軍勢はどうやってフロドを山越えさせるか、サウロンの軍勢はどうやってフロドを山越えさせずに倒すかが大きなターニングポイントとなる。 

・カードはそれぞれ9枚で、必ず同時に1枚づつ消費し、9枚使いきったら捨て札をシャッフルしてあらためて山札を作る。9枚使いきるまでは同じカードは使えない。

・白の軍勢のカードは1~5の数字と、退却(後方向)、エルフのマント(相手の数字カード無効)、サクリファイス(相討ち)、魔法(捨て札から1枚選び同じ効果)。

サウロンの軍勢のカードは1~6の数字と、退却(横方向)、サウロンの目(相手の特殊カード無効)、魔法(捨て札から1枚選び同じ効果)。

講評

特殊能力やカードの強さはバラバラで、原作をモチーフに適当に決めたのかと思いきや、実際にプレイしてみるとそれらが緻密に関連しあって、常にジレンマに悩まされます。よくこんなバラバラな能力でここまでのジレンマが生み出せるなあ、と感嘆しかありません。さすがはジレンマの天才、クニツィア博士です。
一見すると、各キャラの戦闘力が高く、カードの数字も6まであるサウロンの軍勢のほうが圧倒的に有利に見えますが、勝利条件は相手キャラの全滅ではないため、フロドと仲間たちは圧倒的な戦闘能力を持つガンダルフ、ボロミアの自爆テロサクリファイスのカードを上手く使ってサウロンの軍勢を減らしていけば、フロドの能力で相手をすり抜けてモルドールにたどりつけるので両軍の力は互角です。
原作を知らなくても楽しめますが、地形効果や特殊能力は原作をモチーフとしているため、原作を知っているとより楽しめます。キャラクターの特殊能力や細かいルールも原作を知っているとすっと頭に入ってきます。クニツィアなのにテーマとシステムが合致した非常に珍しい作品です(笑)。

おわりに

個人的に好きな2人用ゲームベスト3を紹介しました。ボードゲームを遊ぶ際には3~4人が一番ゲームの選択肢が多くはありますが、2人用ゲームは30分程度の時間で十分な満足感が得られるものが多いです。ルールも比較的わかりやすいものが多く、名作が数多くあるので、ぜひ遊んでみてください。