富士の麓でボードゲーム日記

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【ボドゲ紹介】私の好きなボードゲームベスト5~第4位~

今回は私の好きなボードゲーム第4位の紹介です

第4位 チケット・トゥ・ライド メルクリン

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第4位はアラン・ムーン作のチケット・トゥ・ライドシリーズ、その中でも最高傑作と名高いチケット・トゥ・ライドメルクリンです。
チケット・トゥ・ライド自体は2004ドイツ年間ゲーム大賞の受賞作で、これまでに様々なマップや拡張セットが出ています。
メルクリンは、列車カードの絵が鉄道模型で有名なメルクリン社の模型の絵になっており、全て絵柄が異なるというこだわりようです。

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こんな風に同じ黄色でも全て絵柄が異なっている。

 

テーマ

チケット・トゥ・ライド第3作目はドイツが舞台。ドイツの都市と都市をつないで自分の鉄道網を張り巡らせよう。乗客ルールの追加により、より戦略的になった。 

ゲーム内容

概要

ボードにはドイツの地図が描かれており、都市と都市の間は1~7のマス目がある1色の色で描かれています。
同じ色の列車カードを集めて、都市間のマス目と同じ色・数が集まったら都市と都市の間に自分の路線を引くことができます。
路線をつなげて、目的地を自分の路線で結ぶことを目指します。

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セットアップ

最初に目的地カードを4枚引きます。
メルクリンでは長距離路線の山札と短距離路線の山札が別になり、好きな割合で引けるようになっています。
さらに、最長路線ボーナスから、最多目的地達成ボーナスに変更されています。

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目的地カードには2つの都市名が書かれていて、それを自分の路線でつなげるとカードに書かれたボーナス点が得られます。
基本的にはこのボーナスを目指して路線を引いていきます。
目的地カードには、2つの都市名でなく、片方が国名になっているものもあります。都市と同様にその国へ向かう路線を引けば目的達成となりますが、都市と異なり、ある都市⇒国⇒他の都市と路線をつないでも、その2つの都市はつながっていることにはならないため注意が必要です。
目的地カードは途中で追加することもできます。
ただし、ゲーム終了までに達成できなかった目的地カードはその点数分マイナスになってしまうので注意が必要です。
最初の目的地カードは4枚引いて、2枚以上は手元に残す必要があります。
さらに、最初の手札として各自に列車カードを4枚配ったら、場に列車カードを5枚オープンにしてスタートです。

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手番でできること

自分の手番では、
・列車カードを2枚引く
・列車カードを使って路線を引く
・目的地カードを4枚引き、1枚以上を手札にする
・乗客を動かす
の4つから1つのアクションを選択します。
基本は「列車カードを2枚引く」か、「列車カードを使って路線を引く」かです。

列車カードを2枚引く

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オープンになっている5枚のカードから好きなカードを2枚引きます。
欲しいものがなければ、裏向きになったカードの山から取ることもできます。
カードは4種類あります。
写真右から1番目、2番目が通常の列車カードで全部で8色あります。
写真一番左が乗客カードで、後程乗客のアクションで説明します。
左から2番目が機関車カードで、どの色の列車カードとしても使えるオールマイティーなカードです。ただし、表向きになっている機関車カードを取る場合、2枚分としてカウントするので、手番でその1枚しか取れません。例外として、山札から裏向けに取ったカードが機関車カードだった場合は2枚分とカウントしないで済みます。
左から3番目はメルクリン独特のカードの+4機関車カードで、4マス以上の路線に限りオールマイティーとして使えるカードで、通常の機関車カードと異なり、1枚分でカウントするので、いつも通り2枚カードが取れます。あったら積極的に取りに行くといいです。

列車カードを使って路線を引く

都市と都市の間のマス目と同じ数だけ、同じ色の列車カードを捨て札にすることで、マスに自分の列車コマを置くことができます。

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黄色のカードを3枚捨て札にして

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赤い列車コマを3つ置く

灰色のマスはどの色でもいいのでマス目と同数の同色のカードを捨てればいいので少し路線が引きやすいです。
路線は先に引いたもの勝ちです。
複線になっている箇所はプレイ人数によって処理が異なり、4人以上の場合は線路の数だけ複数人が路線を引けますが(ただし、同じ人が同じ区間に2つ以上の路線を持つのは不可)、3人以下では誰かが引いたら他の複線は使用できません。
路線を引いた時にその長さに応じて勝利点が得られます。一度に長い路線を引いた方が得点は高くなりますが、その分沢山の同色のカードが必要となるため、先に誰かに路線を引かれてしまわないか、ジレンマが悩ましいです。

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また、路線を引いた時にその両端の都市のどちらか1つに乗客コマを置くことができます。乗客の使い方は後の項で説明します。

追加の目的地カードを引く

目的地カードの山札から4枚引き、1枚以上を手札にします。
自分の既に完成している路線とかぶっているカードが引ければ嬉しいですが、無計画に引くとゲーム終了までに目的達成できずマイナスとなってしまうので注意が必要です。

乗客コマを動かす

メルクリン特有のルールです。路線を引いた際に置いた乗客コマを動かし、都市に置いてある勝利点チップを回収します。
各都市には勝利点チップが置いてあり、乗客コマの出発地点(ただし、出発地点のチップは除く)から一筆書きで路線がつながっている都市にあるチップを1枚づつ得ることができます。

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複数チップが置いてある都市は、早く取るほど高い勝利点のチップが貰えます、1つしかチップがない都市もあるので、早い者勝ちです。

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乗客コマは1人3つあります。
また、乗客カードがあれば1枚につき1区間、他人の路線を借りて乗客を動かすことができます。

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あくまで乗客を動かすときだけで、目的地カードの判定には使えませんが、うまく使えると分断された自分の路線をつないで、より多くの勝利点チップを得ることができます。
乗客は一気に30点以上の得点を取ることもあるため(なお、目的地カードの最大は22点)、非常に重要です。

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ゲームの終了条件

誰かの残り列車コマが2つ以下になったら、その人まであと1回づつアクションを行ってゲーム終了です。
それまでに引いた路線の勝利点と、乗客で取った勝利点チップを合計したのちに、目的地カードの成否を確認してポイントを+-します。最多目的地を達成した人にボーナス10点を加えた上で、一番勝利点の多い人が勝利します。
1ゲームは人数にもよりますが60~90分程度です。

講評

チケット・トゥ・ライドシリーズの最高傑作かと。

最初に出たチケット・トゥ・ライドアメリカは特にそうですが、早めに路線を引くより、とにかくカードを貯めて、なるべく長い路線をひたすら引いた人が勝利することが多かったため、他人より早く引かなくてはというジレンマはあまり感じず、ひたすらカードを引いて自分の路線をただ伸ばしていくという感じが強かったです。
また、勝利点の高い長い路線の目的地カードが引けないと勝つことが難しくもありました。
初心者にはそれがちょうど良くはあったのですが、中級者以上には物足りなさもありました。

しかし、メルクリンではマップの見直し、目的地カードを短距離・長距離分けたこと、最長路線ボーナスから最多目的地達成ボーナスへの変更、何より乗客ルールの追加により、短距離路線メインで乗客の勝利点を重視しながら最多目的地達成を狙うか、長距離路線メインで路線の得点をしっかり取っていくかなど、戦略がかなり重要になりました。
マップも長距離が多く路線の点数が稼ぎやすい東部と、短距離が多いが乗客の勝利チップの点数が高い西部と特徴があり、戦略が被った相手と路線の取り合いになりやすくなっています。
また、乗客の勝利点チップも早い者勝ちのため、より他人より先に路線を引かなくては、という意識が強くなり、「欲しい色のカードが場にあるけど、それより先に路線を引いた方がいいか」、「もう1路線伸ばしたら乗客の勝利点チップが増えるけど、そうすると先に他人に乗客使われないか」というジレンマが強くなります。
特に単線しか使えない3人以下のプレイでは、西部の1コマ路線集中帯に初手から機関車カードを使っても路線を引くという、カードをじっくり溜め込んでから動き出すことの多い通常のチケット・トゥ・ライドではまず見られない光景が度々繰り広げられます。

セットアップが面倒で、時間もかかるため初心者にはあまりおすすめできませんが、チケット・トゥ・ライドはぬるくてちょっと、という方に是非一度プレイしてほしいです。

ただ、惜しむらくはメルクリンは絶版ということで、手に入れるのが難しい状況です。
先日、日本語版が発売されたチケット・トゥ・ライドドイツはメルクリンと同じドイツのマップですが、乗客ルールが変更になっており、目的地カードの構成も変更されているようです(ドイツはドイツでミープルルールが乗客よりシンプルで面白そうですね)。
同じマップであるドイツが出たので、メルクリンの再版は期待薄でしょうか。
オークションサイトではプレミア価格で取引されてしまっているため、無理に買わず、ゲーム会などで見つけたら是非遊んでみてください。