富士の麓でボードゲーム日記

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【ボドゲ紹介】私の好きなボードゲームベスト5~第3位~

 

今回も引き続き私の好きなボードゲーム第3位の紹介です。

第3位 アグリコラ

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第3位はウヴェ・ローゼンベルクのアグリコラです。
年間大賞よりゲーマー向けといわれる2008ドイツゲーム賞を受賞しています。
また、ボードゲームギークというボードゲーム好きには世界的に著名なサイトで6年間トップを取り続けていたプエルトリコを引きずり降ろして1位を取ったということでも有名です。

 

テーマ

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アグリコラは中世ヨーロッパの農業をモチーフとしたゲームです。
プレイヤーは農夫となり、夫婦二人きりからスタートします。
畑を耕し小麦や野菜を植え、牧場に柵を整備して羊や豚、牛を飼います。
夫婦二人きりでは裕福になるのは困難です。家を増築して、家族を増やせば、徐々に農場は発展していくでしょう。
最初は食べていくのにも困難ですが、地道に働いていけば、やがて生活も楽になり、家を改築する余裕も生まれます。
ゲームが終わる頃にはあなたの家は、地域で最も裕福な農場に成長していることでしょう。

ゲーム内容

概要

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最初は自分のボードには2部屋の家と、家族2人しかいません。この自分のボードを発展させていくことがこのゲームの目的です。
共通のゲームボードには、「木材4を得る」「畑1を耕す」などのアクションスペースが記載されており、ここに自分の家族を派遣することでそのアクションができます。

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様々なアクションがボードに描かれています

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例えば「木4」に家族を派遣すれば、

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自分のボードに木材4つを持ってこられます。

ただし、だれかがそのラウンドに行ったアクションは他の人は行うことができず早い者勝ちです。
また、木4や漁など一部のアクションスペースは、誰もそのラウンドに取らないと、次のラウンドにその資材が累積されます。
最初は全員家族2人なので、2アクションずつ行ったら次のラウンドになります。
ラウンドが進むにつれて、「柵を立てる」「種をまく、そして・または、パンを焼く」「家族を増やすそして小進歩」など行えるアクションスペースが増えていきます。
4ラウンドが終わると収穫フェイズがあり、家族1人につき食料2が必要となります。収穫フェイズは全部で6回あり、間隔がどんどん狭まってきます。
ゲームは14ラウンドあり、最終的に自分の農場を最も発展させた人が勝利します。

手番でできること

このゲームは手番にできる選択肢が非常に多く、なにをやっていいか初めは全く分からないかと思います。全てのアクションを順に説明するより、ある程度項目を絞って説明します。

ゲームの大きな要素は、「家族を増やす」「畑を耕し、種をまく」「牧場に柵を立て、家畜を飼う」の3つです。それらは全て農場を発展させ、勝利点を得るのに必要なことですが、これに「どうやって収穫時に必要な食料を稼いでいくか」が絡んできます。

〇家族を増やす

家族2人では農場を発展させることは困難です。アクション数を増やすために家族を増やすことは最も重要な事項です。ただし、家族を増やすことは非常に手間がかかり大変です。
家族を増やすには、部屋を増やす必要があります。1部屋増やすのに、木材5と葦2が必要となります。その後、増築のアクションを行い、家族を増やすアクションをして初めて家族が1人増えます。家族が増えると1ラウンドで行えるアクションが1つ増えますが、収穫で必要になる食料も増えるため注意が必要です。

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木材5と葦2を使って、

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部屋を1部屋増やせます。これで家族を1人増やす準備ができました。

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家族を増やすアクションで1人家族が増えました。
増えた家族は次のラウンドから働くことができます。

〇畑を耕し、種をまく

小麦や野菜の種は、畑に撒くことで一気に数を増やせます。
先に畑を耕し、種を撒けば小麦は3つ、野菜は2つ、畑に種を積むことができます。この種は収穫毎に1つずつ畑から収穫できます。
小麦や野菜はそのまま食べることもできますが、食料1にしかなりません。効率よく食べるには調理道具を大進歩のアクションで取る必要があります。
小麦はレンガ暖炉を持った上で、「種を撒く、そして・またはパンを焼く」のアクションでパンにすることで、小麦1が食料5になります。野菜はかまどがあればパンを焼くアクションの必要なく、食料2にできます。

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まずは家族を「畑1」に派遣して、

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畑を耕します。

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次に「小麦1」へ家族を派遣して、

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小麦1を自分のボードに得たら、

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種を播くアクションを行うと、

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畑の上に小麦が3つ積まれます。

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レンガ暖炉があれば小麦1を食料5にできます。

〇牧場に柵を立てて家畜を飼う

家畜は1匹だけは家に飼うことができますが、それ以上は柵か厩がなければ、たとえアクションで取ったとしても、農場から溢れた分は逃げてしまいます。ただし、取った瞬間に食料にすることは可能です。家畜はそのままでは食べることができず、かまどが必要です。かまどがあれば羊は食料2になります。かまどの上位進歩である調理場があれば豚や牛をより効率的に食料に変えられます。
さて、柵か厩を立てるには、木材を集める必要があります。柵は1本につき木材1、厩は1個につき木材2が必要です。
柵のアクションでは未使用(厩はあっても可)の土地を柵で囲うことができますが、完全に囲う形でないとだめで、どこかに切れ目がある中途半端な柵は不可です。柵の中に1マスにつき2匹家畜が飼えますが、1つの柵には同じ種類の家畜しか飼えません。厩は家畜1匹しか飼えませんが、柵の中にあると家畜の収容量を倍にすることができます。
家畜が2匹以上いれば、収穫フェイズで1種類につき1匹家畜が増えます。2匹につき1匹ではないので要注意です。ただし、その場合も増えた家畜が収容できるスペースが必要です。

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木材が4つあれば、

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柵のアクションを行って、

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1マスを柵で囲えます。

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羊2を取れば、

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柵の中は1マスなので2匹まで飼えます。

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収穫で1匹増えましたが、柵の中には置けなかったので家に同居しました。
これ以上羊を増やすには、新たに柵を引くか、厩を建てる必要があります。

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かまどがあれば羊1を食料2にできます。飼う場所がなくても食料にする分には取ってすぐに食料にできます。

〇スタートプレイヤー

手番はスタートプレイヤーが1人目の家族のアクションをし、その後は時計回りに順番に1人目の家族、次に2人目の家族、というように行います。アクションは早い者勝ちなので、手番を行う順番は非常に重要です。このゲームではスタートプレイヤーはラウンドが変わっても動かず、スタートプレイヤーとなるアクションを行うことでその権利が動くようになっています。

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黄色い円柱はスタートプレイヤーのマーカー。

〇部屋の改築

最初は木の部屋ですが、改築のアクションをすることで、部屋の数分のレンガと葦1があればレンガの部屋に、さらにレンガの部屋から部屋の数分の石と葦1があれば石の部屋にできます。レンガの部屋は1部屋につき1勝利点、石の部屋は1部屋につき2勝利点となります。
ただし、増築をする際には今の部屋と同じ資材でしか増築できないので注意が必要です。

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改築のアクションで、

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部屋の数分のレンガと葦1を支払えば、

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レンガの家になりました。勝利点は増えましたが、レンガでしか増築できなくなり、増築はしづらくなってしまったので注意が必要です。

収穫フェイズ

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4ラウンドの後に最初の収穫フェイズがあります。
まずは畑に種を撒いていれば、そこから1つずつ種を収穫します。
次に、家族1人につき食料2を払います。この際、食料が足らなければ、足りない食料1つにつき1枚ものごいカードを取らなければいけません。ものごいカードは1枚につきマイナス3勝利点になるので、一気に勝利が遠退きます。
最後に家畜を増やしたら次のラウンドになります。
収穫フェイズは全部で6回あり、その後は7Rの後、9Rの後、11Rの後、13Rの後、14Rの後と間隔がだんだん狭くなっていくので、家族を増やしてしっかりと食料基盤を整えておかないと、食べるだけで精一杯のじり貧になります。

得点計算

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14R後の最後の収穫が終わったら得点計算です。
農場の発展度によって勝利点が得られます。例えば小麦や家畜は1つも持っていないと-1勝利点となるため、畑か家畜に特化した農場でなく、オールマイティーな農家となることが求められています。
農場の点数の他に、進歩カードに記載された勝利点やボーナス点を追加し、一番勝利点が多いプレイヤーが勝利します。
プレイ時間の目安はプレイ人数×20分とかなり長めのゲームです。

ファミリールールと通常ルール

このゲームには職業カードや小進歩カードを使用しないファミリールールと、カードをそれぞれ1人に7枚ずつ配ってスタートする通常ルールがあります。
最初はファミリールールで基本的なルールを覚えた方がいいでしょう。ファミリールールでも充分に面白いゲームです。
慣れたら、通常ルールです。
職業は職業のアクションで自分の手札から公開すると様々な能力が得られるもので、例えば木こりなら「アクションで木を取る度に追加で木1が貰える」といったものです。
小進歩は大進歩のようなカードで、例えば斧なら木材1石1を払って斧を出せば、その後は木の家増築が木2葦2でできるようになるというものです。
職業カードと小進歩カードはあわせて300枚以上あるので、これにより毎回全く異なった展開にゲームが変わります。これこそアグリコラの真骨頂です。

講評

正直初めてやった感想は「キレがない」というものでした。
他人との絡みは積極的なものでなく、「先に誰かにあれをやられてしまうと自分ができなくていやだな」くらいで、基本的には食料確保にあえぎながら一人で黙々と自分の農場を発展させていくというソロプレイ感が強くて、インタラクションの強いゲームが好きな私としてはあまり好きではありませんでした。
しかし、友人に凄く強い相手がいて、その相手に勝つために攻略を読んだり、自分1人で3人分動かして毎夜特訓をしていたら、やればやるほど平均点が上がってきて、次第に面白くなっていきました。
やってるときはうまくいかないことばかりで苦しんでばかりですが、そんな中でも地道に農場を整備して、意外とそこそこの点数が取れた時は嬉しくもあります。
アグリコラは失敗を糧にしていけば、どんどんと自分が成長することができるゲームで、そこが一番魅力的なところなのかなと思います。
大量の職業カードと小進歩カードのおかげで、全く同じ展開になることはほぼないため、何度やっても飽きることがありません。
時間もかかるゲームですし、一度やるだけではその魅力は分かりづらいかもしれません。もし、定期的にボードゲームをできる環境でしたら、たまに1ゲームずつやるだけでもいいので複数回遊んでいただけれたら、その魅力を感じてもらえるかもしれません。
正直、クセになりますよ。