【ボドゲ紹介】ボドゲ傑作選~イスファハン~
イスファハン
以前2人用ゲームとして紹介したジャイプルと同じ作者であるセバスチャン・ポーションのイスファハンです。
2007年ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品であり、ダイスの面白い使い方が特徴的なゲームです。
ジャイプルでも紹介したとおり、ラクダが出てきます。
テーマ
プレイヤーはペルシャの首都イスファハンと取引する商人となります。
商品を出荷して商店街(スーク)を独占したり、キャラバンに商品を出荷したりして、シャー(国王)の代理人の歓心を買い、シャーお抱えの商人となることを目指します。
ゲーム内容
概要
十字路の交差点には初期配置でシャーの代理人駒を置くようになっている
ボードは十字路で4つの区画に別れていて、さらにそれぞれの区画には4色5色に色分けされた商店が建っています。
各区画の同じ色で色分けされた商店は商店街(スーク)を形成しています。
このゲームの主な得点源は、
・スークを独占する
・商品をキャラバンに送る
の2つです。
ラウンドの始めにスタートプレイヤーが9個のダイスを一気に振り、出た目をダイスタワーに振り分けていきます。
ダイスは一番小さい出目から順に下から振り分けていき、一番上の金貨のマスには(ダイスが全てゾロ目でない限り)必ず振り分けるため、花瓶や木箱のマスにはダイスが置かれないことがあります。
1~6の全ての出目が出ないかぎり花瓶のマスには置かれない
手番では、スタートプレイヤーから順番にダイスタワーのアクションを選んでいきます。
ラクダ・金貨のアクションはダイスの数だけラクダ駒か金貨を得ます。
花瓶・木箱・タル・麻袋のアクションはそれぞれの区画にダイスの数だけ商品を出荷します。
週の終わりの決算でスークを独占できていれば得点が得られます。
商品の出荷などのかわりに、シャーの代理人駒を動かすこともでき、動かしたマスに隣接した商店に商品があれば、それをキャラバンに送ります。
キャラバンに送った際に得点が得られるほか、決算やキャラバンが一杯になった際にも得点が得られます。
また、各プレイヤーはアクションの後に必要な数の金貨・ラクダを支払って1つだけ公共施設を建てることができ、建てた後は様々な特権でゲームを優位に進められます。
全員がアクションを選んで実施したら、スタートプレイヤーが左隣に移って次のラウンドとなります。
7ラウンド後に週末の決算があり、3週間終了後に最も得点を得たプレイヤーが勝利します。
ラウンドの流れ
1、ダイスタワーフェイズ
2、各プレイヤーの手番フェイズ
A、アクションの実施
B、公共施設の建築
3、終了フェイズor週末フェイズ
ダイスタワーフェイズ
スタートプレイヤーが白色のダイス9個を振ります。
この時スタートプレイヤーは金貨を1~3枚支払うことで、黄色のダイス1~3個を追加することもでき、黄色のダイスはスタートプレイヤーのみが利用できます。
一番小さい目をダイスタワーの一番下(ラクダ)に置き、引き続き下から順番に出目を振り分けていきます。
ただし一番大きな目はダイスタワーの一番上(金貨)に振り分ける必要があるため、中間の花瓶や木箱にはダイスが置かれないこともあります。
ダイスのないアクションはそのラウンドは実施できません。
黄色のダイスはダイスを振ったスタートプレイヤー以外は使えない。麻袋のエリアを選んでも3駒しか出荷できないし、花瓶のエリアはそもそもアクションを選択できない。
各プレイヤーの手番フェイズ
A、アクションの実施
手番ではスタートプレイヤーから順番に1人づつダイスタワーからアクションを選んでいきます。
アクションには次の3つの選択肢があります。
ア、金貨・ラクダ駒の獲得、スークへの商品の出荷
ダイスタワーで選択したアクションを実施します。
金貨・ラクダ駒の獲得はダイスの数だけ金貨・ラクダ駒を獲得します。
商品の出荷では、選択した区画のいずれかのスークを選んでダイスの数だけ商品を出荷します。
この際、誰かが商品を出荷しているスークへは商品を出荷できず、また、選択した区画で自分が既に商品を出荷しているスークがある場合はそのスークを独占するまで他のスークに商品を出荷できません。
各スークの独占ポイントは商店の数が多いほど得点が高いですが、週末までに独占できなければ一切得点が得られずリスクがあります。
また、花瓶や木箱などダイスタワーの上にいけばいくほどアクションを取れる確率が小さくなる分、少ない商品で高得点が取れるようになっています。
イ、シャーの代理人を動かす
十字路にいるシャーの代理人駒を、ダイスタワーで選んだダイスの目の数だけ動かします。
この際、金貨を1~3枚払うことで、動かす歩数を1~3マス増減させることができます。
シャーの代理人が止まったマスに隣接している商店に商品があれば、それをキャラバンに出荷します。
2つあれば2つとも対象になります。
キャラバンに出荷すると得点が得られますが、スークの駒が減ってしまうため独占が崩れてしまうリスクがあります。
このため、あえて他人の駒を出荷させて邪魔することもできます。
キャラバンに出荷する際、ラクダ駒があればそれを使うことでスークの駒を減らすことなくキャラバンに出荷できます。
ウ、カードを引く
ダイスの目や数に関係なく、カードを1枚引きます。
カードには様々な効果があり、好きな時に好きな枚数使用することができます。
また、アのアクションを選んだ際にカードを1枚捨てることで、獲得できる金貨・ラクダ駒の数や、スークに出荷する商品の数を1つ増やすこともできます(最大1つまで)。
このカードは公共施設を1つ建てる際、ラクダは支払わなくていいというカード。このように結構強力なカードも多い。
B、公共施設を建てる
アクションの実施後、必要な数の金貨・ラクダ駒を支払って公共施設を建てることができます。
公共施設には様々な永続的な効果があり、今後のゲームを優位に進められます。
また、公共施設を3軒以上建てると、建てた時に得点が得られます。
上は効果で下はコスト。右端は建てた際に得られる得点。
終了フェイズor週末フェイズ
全員が手番のアクションを終えたら、スークやキャラバンの商品はそのままにし、ダイスタワーをリセットして、スタートプレイヤーが左隣に移って次のラウンドとなります。
7ラウンドの後は週末フェイズとなり、週末の決算を実施します。
〇スークの決算
独占しているスークがあればそこに記載された得点が得られます。
全員の得点が終わったら独占の成否に関わらずすべてのスークの駒を各自のストックに戻します。
〇キャラバンの決算
キャラバンの得点タイミングは次の3つがあります。
1、キャラバンに出荷した際、ラクダに描かれた得点を得る
2、週末の決算
3、キャラバンが一杯になった時
週末の決算では、キャラバンの一番前にいる自分の駒の倍率×自分の駒の合計分の点数が得られます。
この写真の場合、赤は3倍×5駒=15点となる
週末の決算ではキャラバンの駒はリセットせずにそのまま次のラウンドに引き継ぎます。
ラウンド中にキャラバンが一杯になった時には全員が週末の決算と同様の得点を得て、その後キャラバンの駒をリセットします。
週末の決算が済んだら次の週のラウンドが始まります。
(7ラウンド+週末フェイズ)×3週間の後、最も得点を得たプレイヤーが勝利します。
プレイ時間は45分程度です。
講評
ダイスを使うボードゲームは数多くあり、すごろくのように進むマスの数を決めるためだけに使うだけでなく、様々な使い方があります。
その中でもこのゲームの面白い所は、振ったダイスが全員のアクションの選択肢になる所で、ダイスの目が片寄っても、自分のしたいアクションでなければ他人の利益にもなりかねません。
得点を得る方法は基本的にはスークの独占・キャラバンへの出荷の2種類と分かりやすく、一方、様々な公共施設をどう建てるかなどで戦略の幅が十分にあります。
戦略は大事ですが、クレーンを建てても勝負所で金貨3枚ぶっ混んでダイス振って、ちゃんと1~6の出目を出して花瓶のアクションが取れるか、運も必要となってきます。
プレイ時間も45分程度とアグリコラの半分程度で済むのでボードゲームに興味が出てきた初級者の方にぜひプレイしてほしいゲームです。