富士の麓でボードゲーム日記

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【ボドゲ攻略】アグリコラ コラム~愛人について本気だして考えてみた~

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なんだかんだで最強の一角ながら、いまいち点数が伸び悩むことも多い愛人。
また、誰もが一度は考えたことがあるはずの「愛人は何人目の家族としてつかうべきか」。
今回は愛人の使い方について考えてみたい。

 

共通項・愛人のメリット

愛人のメリットは
「葦2」「木3」「木3」「増築」「家族小進歩」の5手を
「職業」+コスト食料4(+職業アクションのための食料0~2)の1手+αに減らせることにある。
ここが基本になるのでしっかり抑えておきたい。

それだけでなく、手数がかからないということは通常より早く出せるということであり、早く出せたラウンド数だけ手数が増えることにもなる。

また、葦や家族小進歩などの他人と競合しやすいアクションをしなくてよいということは、無理なスタPなどをせず、効率よく盤面を作っていくことができるということでもある。

3人目愛人について考える

メリットとデメリット

メリット1 増員アクションが出る前に家族を増やせる

他人の3人目の家族が動けるのは最速で6ラウンドから。一方愛人は2ラウンドに出せれば3ラウンドから3人目の家族が動き出す。他人と3手以上の差がつけられるということ。
また、通常は家族小進歩の出現ラウンドが遅くなると増員待ちができることもあるが、愛人であれば関係なく安定して3人目を増やせる。

メリット2 手数が展開に左右されず安定して高得点を狙える

通常は他人の動き次第で増員の計画に影響が出る。増員のためにあまり必要でないスタPを打つこともそうだが、葦買い付け人がいれば葦が手に入りにくくなり、増築が遅れる可能性もある。
そういったことに縛られず、無駄な手を使うことなく、農場を整備するために必要な手を計画的に打ち続けることができる。

デメリット1 4人、5人と順調に家族を増やした場合に比べ総手数が少ない

メリット2の反面として、総手数がある程度決まってしまうということがある。
2R愛人の場合、10手+9手+6手+6手+6~7手+3~5手の計40~43手。
一方、5R、8R、12Rで増員した場合は8手+8手+7手+8手+9手+5手の45手となる。手数の差は最終的な勝利点の差に結びつく。
また、序~中盤のうちに食料基盤を整えておかないと、勝負所の終盤に食料確保に貴重な手数を使うこととなり伸び悩む。

デメリット2 家2軒少ない分、家の点数が2~4点少なくなり、空き地のケアも必要。また、家族点も3~6点少なくなる。

一般的な家4軒と比較すると、レンガの家で2点、石の家では4点勝利点が少なくなる。また、2つ空き地ができるため、これを畑や厩などで埋める手段も必要となる。
家族も5人家族と比べると、3点~6点少なくなってしまう。部屋なし家族に入れるかどうかは部屋なし家族が12ラウンドで出てくれるかや、スタPの状況によってしまうのがつらい。

デメリット3 1ステージは場の食料が最も厳しい

アグリコラはステージが進むにつれて、猪や牛、野菜など食料効率のよいアクションが増えるようになっている。
1ステージでは羊1が早期に出て、たまたま自分がかまどを抑えて羊3とか4を取れる、ということがなければ1手食料3(3ラウンドの漁、小劇場、羊飯)が取れればいいほう。
その中で愛人分の食料6(職業を出す際の食料+4と、収穫時の食料2)を追加で稼がなければならない。
前述のとおり、2ラウンド愛人でも最速増員との手数差は3手なので、日雇いに3回通ったら手数優位は増築のための資材集め+増築アクションの分の手数のみ。それで4人目を増やそうと思って2軒増築をしたものなら、愛人のメリットはなくなってしまう。3人目愛人の場合は、増築をしてはいけない。

これらのデメリットのために、3人目愛人だと、中盤で柵は完成したものの、終盤で手数不足と得点源の不足で伸び悩み、村長盤面の40点~45点程度でトップの50点代に追い抜かれる、ということがまれによく発生する。

デメリットを解消するためのドラフト

前述のデメリットを補うための職業・小進歩をドラフトで確保することが、3人目愛人でトップを取るための方法となる。

デメリット1 手数不足に対して

最も相性がいいのは、3人目愛人でも家族を増やせる農場管理と葦の家。
それ以外では部屋なし家族をマイナーアクションにできる家長、収入役、寝室は相性がいい。養父母も部屋なし家族を活用する場合には相性がいい。
また、純粋な家族ではないものの、家族と同じような働き(時には家族より優秀な働き)をする石の家系職業(特に学者、鋤職人)も相性がいい。3人目愛人であれば家は2軒のため、改築のためのレンガ・石集めも容易になるので一石二鳥だ。せっかくなら石の家コンボを組みたい。
あとは、畑アクションを減らせる鋤系小進歩などもあるといいが、家族小進歩に入らない分小進歩のアクションをする機会が減っていることには注意したい。

デメリット2 勝利点不足に対して

前項で書いた農場管理、家長などは手数だけでなく家族点を増やすことにもつながるのが強い。
空き地を埋めるための小作人や、柵を大きく作った際のデメリットをフォローできる牧人の杖、かいば桶なども相性は悪くない。
木の家増築をしない分、柵を早期に整備できるので、それを生かして家畜を増やしつつボーナス点を得られる乳搾り、搾乳台、織機などもあると心強い。
また、盤面を作りやすいため君主も相性がいい。家2軒での改築となるため、族長は弱いが、逆に族長の娘は相性がいい。
前項のカードで手数不足を解消したとしても、終盤で勝利点効率のよいアクションができず(種や家畜は0個→1個は2点行動だが、それ以後は(野菜以外は)2つ増加で1点と効率が悪くなる)、家の点数、家族の点数の差分でトップに追いつけないこともよくある。
畑などの農場点だけではなく、盤外の勝利点を延ばすことのできるカード(勝利点のある進歩やボーナス点のある職業・進歩)を意識して確保しておきたい。

デメリット3 食料不足に対して

ドラフトとは別になるが、かまどがあれば最序盤でも羊飯アクション(比較的マイナーなアクションだ)で3飯アクションができるようになるので優先的に確保しておきたい。
序盤の食料対策としては、マイナーアクションで食料を多く確保できる踊り手、季節労働者、庭職人は相性が非常にいい。また、ブリキ職人やキノコ探しも他人とは異なる食料確保手段ができるのでよい。居候はあると心強いが、食料5にしかならないので3人目愛人ではややもったいない。
炭焼きは最序盤に出さないとかみ合わない(大進歩が4ラウンドに出れば間に合うかも)ため、やや相性が良くないかもしれないが、そもそも愛人と炭焼きは両方ともファーストピッククラスなので、ドラフトで両方手に入れられることはなかなかないだろう。
中盤は3人家族が続くため、スタPを取りに行って猪2を確保して、調理場で焼いていたりすると、むしろ食料が余ってしまうような展開になることもあるが、これはよくないパターン。
人数が少ない分、極力食料確保のための手数は減らし、点数につながる行動をするよう、1ステージごとの食料行動は0~1手程度に抑えたい。家畜を増やせる体制を早めに作ることや、降り飯系小進歩を活用したい。

基本的な方針

1ステージでは1ラウンドの2手目で日雇いを行って、2ラウンドで愛人を出す。
踊り手やブリキ職人などのかまどがなくても1手食料3以上が手に入る職業がある場合を除き、かまど確保を優先的に考える。
当面葦は必要ないが、手札に盤外の勝利点を増やすカードがあまりない場合には大進歩確保のために空いていれば葦石木には入ることを考える必要がある。

2ステージでは他人が増員を目指す分、木材を集めやすくなるので、ここで柵材を集めて早い段階で家畜を増やせる体制を作りたい。

3ステージ収穫まで畑2を耕し、小麦1と野菜1を播くと、6ステージには種を全て回収して畑が空き、小麦3野菜2を畑5に播けば、畑小麦野菜がすべて4点となるのでできれば目指したい。

中盤までには食料基盤を整え、食料確保に手数を割かずにすむようにしたい。

4ステージの11ラウンドでは、ここまで3人家族の場合には部屋なし家族に入れるようスタPを考慮したい。

5ステージでは3人家族の場合には部屋なし家族を行って、勝利点3点+手数を得たい。3人家族のままだと、5人家族に対し勝利点6点の差がついてしまうのでさすがに厳しい。

終盤で、農場がほぼ整っていて勝利点効率のいいアクションがなくなってしまうのは、愛人の典型的な負けパターン。盤外の勝利点が稼げる手立てを考えておきたい。手数が余るなら酒場やレンガ置き場が有効。

以上を基本的な方針として、職業や小進歩次第でアレンジしていきたい。

4人目愛人について考える

メリットとデメリット

メリット1 3人目愛人と異なり、終盤までに4人家族にできる

部屋なし家族が出る前に4人家族にできるので、中盤以降の手数不足が解消できるとともに、最終的に5人家族にできる可能性も高くなる。

メリット2 4人家族になった後の食料確保効率は3人目愛人よりアップ

3人目愛人の場合は愛人を出した後の食料効率が悪かったが、3ステージ以降は猪や野菜が出てきて場の食料自体も効率が上がるし、他人も食料基盤が整ってくるため相対的に自分も食料確保が楽になってくる。

デメリット1 3人目増員が展開に左右される

3人目は通常通り増員するため、展開に左右されやすい。

デメリット2 増員直後の収穫時の食料がつらい

出来るだけ3人目増員後に間をあけずに4人目を増員したいが、その際愛人を出すための食料と、直後の収穫時の食料がつらい。

方針と対策

1ステージは3人目の最速増員のための増築と、食料基盤の確保(かまど取得)を優先したい。
共通項で述べたように、増築増員の手数を職業の1手+食料で代替できるのが愛人のメリット。愛人を出すのに必要な食料確保にかかる手数を最小限にすることが、そのメリットを最大限に活用するための方法となるので、ドラフトでは食料補助となるカードを優先的に抑えておきたい。
相性のいいカードは最速増員を安定させるための木の家増築、2ステージでの4人目増員を容易にする居候など。3人目愛人であげたカードも相性がよく、特に石の家系職業は家3軒で4人家族というメリットを活かせるのでうまく使えれば強い。また、家族小進歩のめくれに左右されてしまうが、1ステージでは職業を出さずに、家族小進歩で喜捨を出せば愛人用の食料が手に入るので相性がいい。

5人目愛人について考える

メリットとデメリット

メリット 部屋なし家族が出る前に、家4軒で5人家族にでき、今後の増員を考えなくていい

斧やレンガの柱がなければ、3軒以上増築することはあまりないので、5人目の家族は部屋なし家族が出てから増員するのが通常。一足先に5人家族にできるので、終盤は農場整備に集中できる。家5軒と違って、石の家までの改築がしやすい。

デメリット 愛人を出すのが遅くなると他人に対するアドバンテージが少なくなる

愛人を出すタイミングが部屋なし家族直前になってしまうと、メリットがあまりなくなってしまう。

方針と対策

共通項で述べたように、増築増員の手数を職業の1手+食料で代替できるのが愛人のメリット。愛人を出すのに必要な食料確保にかかる手数を最小限にすることが、そのメリットを最大限に活用するための方法となるので、ドラフトでは食料補助となるカードを優先的に抑えておきたい。居候は5人家族直後の収穫用にぜひ欲しいが、早い段階で5人家族にするのでコックも相性がいい。
3人目、4人目を出来るだけ早く増員し、5人目を出せるようにしたい。理想は3ステージでの5人家族。

その他トピック

1番手の場合

1番手の場合、初期食料が2のため、1ラウンドで日雇いをしたとしても無料職業でないと愛人を出すことができず、無料職業で愛人を出せたとしても、その後職業で払う食料がなくなってしまうため、3人目愛人とはやや相性が悪い。
1手目では序盤に有効な職業を出すか、レンガ3を取ってかまどを目指すなどして、4人目以降での愛人を考えたほうがいいかもしれない。

増築補助カードを取るべきか

3人目愛人後に2軒増築をして4人目を増やすため、増築補助を取っておくかどうかだが、中途半端な増築補助では愛人で得たアドバンテージが差引0になってしまうため、増築しないで勝つ方法を考えたほうがいい。

4人目愛人の場合も、1軒しか増築をしないので、斧やレンガの柱などの増築補助があってもそのメリットを十分に活かせなくなってしまうので微妙。葦集めや屋根がけなどの葦補助は改築にも活用できるので使える。

5人目愛人の場合、2軒は増築する必要があるので増築補助があれば早い段階で5人家族にできるので有効ではある。ただ、斧柴結びとかレンガの柱レンガ貼りなどの場合には、愛人を使うより家5軒にしたほうが早いということもある。

改築はすべきか

特に3人目愛人の場合、家が2軒のため、改築をしても家の点数はそこまで増えない。
ただ資源が少なくてすむ分、改築はしやすく、一緒に進歩ができるのでここで勝利点を増加させる進歩が出せるといい。出したい小進歩又は取りたい大進歩が少なければレンガの家への改築と同時の大進歩で井戸を取って、そこで改築を終えるのも一つの手ではある。

最終項・愛人は何人目の家族に使うのがいいか

3人目愛人と愛人の構え

愛人の構えとは、1ラウンド初手でスタP、2手目で日雇いを出し、2ラウンドの初めに0飯職業で愛人を出すことを指す(先に日雇いだとスタPを取られるので注意)。

このプレイ、5人プレイだと少々効率が悪い。
3人プレイで1ラウンドに人気のあるアクションは職業のほか、「木3」。
4人プレイだと職業のほか、「木3」「葦石飯」「(やや落ちるが)レンガ2」。
一方5人プレイだと職業のほか、「木4」「葦石木」「レンガ3」「(やや落ちるが)木3」。取れる資源の量が多くなっている。
もし自分が初手スタPの場合、他のプレイヤーの1手目が「職業」「職業」「木4」「葦石木」だと、2人は2人目のアクションでも「レンガ3」か「木3」ができる。
一方自分は初手スタPだと出せる小進歩も限られ、そこまで効率のいい小進歩もない。貴重な序盤の1手でほとんどメリットを得られなくなってしまう。

【私案】愛人の指針

愛人と相性のいいカードが多くドラフトで取れた時、特に序盤で食料を多く稼ぐことのできる職業が手に入った場合は3人目愛人を目指したい。

その場合、基本的には1手目は、単純に強く4人目愛人の際には増築資材となる「木4」、またはかまど取得のための「レンガ3」を取りたい。かまどがなくても食料3以上を取れる職業があれば「木4」でいい。
そして2手目に日雇いをし、2ラウンドで職業に入れれば愛人を出す。ここで愛人が出せなければ4人目愛人に切り替えていく。

ただ、ヤギが初手にあるなら、スタPヤギからの愛人の構えでいいし、コンボカードがそろったので3人目愛人が一番いいと思ったら愛人の構えでもいい。もしドラフトの状況から今回はデフレ場で勝利点が50点なくてもトップが取れそうと踏んだ場合も愛人の構えはありだと自分は思う。ただ、その場合も極力空スタPは避けたい。

愛人と相性のいいカードがあまり取れなかった場合には4人目愛人を目指していく。木の家増築や喜捨がある場合なんかは最初から4人目愛人を狙ってもいい。

屋根がけや葦集めなどの増築補助があり、展開に恵まれて4軒目までスムーズに増築できそうな場合には、5人目愛人でパワープレイを目指す。ただ、その場合は一気に家族が増えるので食料補助カードがないとチャリンコになってしまう危険性があるので注意が必要だ。

おわりに

長文になってしまいましたが、愛人は何人目の家族に使うのがいいのか、自分なりに整理をしてみました。

次は残る職業・小進歩評価(Eクラス)の予定です。