富士の麓でボードゲーム日記

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【アグリコラコラム】4人目を増員するかどうかの判断

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アグリコラでは序盤(1~2ステージ)では3人目の家族を増やすことと食料を得る手段を確保すること、終盤(5~6ステージ)は勝利点を得る行動をすることが基本となってくるが、中盤(3~4ステージ)に何をするのかの判断が難しく、ここが一番の悩み所でしかし勝負の分かれ目となる重要な所でもある。
特に迷うのが、4人目の家族増員を最優先にするのか、それとも農業基盤の整備をするのか。
今回はこれについて考えてみたい。
5人プレイでの検討になります。

 

はじめに

まず、家族3人で最後まで行って勝利するのは5人プレイではかなり厳しい。
手数が少ないのも厳しいが、なにより家族点が5人家族より6点少ないのは厳しく、勝利するためには家族は4人以上は欲しい。

斧芝結びやレンガ貼りレンガ柱のように、強力な増築補助があれば当然2軒以上は増築して家族4人以上にするため、今回考えるのは強力な増築補助がない場合に、3人目を増やした後、資材を集めて(または既に集めた資材を放出して)増築し増員を目指すかどうかということになる。

また、部屋なし家族のアクションは出てくるのが早くても12ラウンドと遅く、食料が余分に必要なことも考慮すると得点行動に使える手数増加の効果はあまり期待できない。
しかし、増築が不要で一手で家族が増えるため、一手3点行動かつ食料に余裕があればわずかに手数が増えることもあるということで、得点行動としては非常に効率がいいので、食料が極端に不足していない限り積極的に取っていい。
なので、今回考えるのは部屋なし家族のアクションを待たずに増築して増員するかどうかということになる。

増員するラウンドの損益分岐ライン

増員時
のR数
増える
手数
追加に必
要な食料
7R +7手 9飯
8R +6手 8飯
9R +5手 7飯
10R +4手 6飯
11R +3手 5飯
12R +2手 4飯
13R +1手 3飯
14R なし 1飯

増員できるラウンドが遅くなればなるほど、増員して増える手数が少なくなっていく。
上の表は増員アクションしたラウンドと増える手数を表したもの。
3人目の家族は2ステージ終了までに増やすとして、4人目の家族が2ステージで増やせればかなり順調で理想的となるため、ここでは4人目の家族の増員が3ステージ以降になってしまった場合を考えるために7ラウンド以降を表にあげた。
13ラウンドまではいつ増員しても手数は増えるように見えるが、ポイントは増築増員のために手数が必要になるということ。
何も増築増員補助がなければ、大体「木3」「木3」「葦2」「増築」「家族を増やす」の5手は必要。
最後の「家族を増やす」は3点行動で効率はいいが、他の4手は得点効率の悪い行動になるので、4手以上は増えないと増築に手数を割くよりもっと得点効率のよい行動が取れたのでは、と考えることもできる。
そうすると、10ラウンドに増員アクションができるくらいだと、増築に手数をかけるより他のアクションをした方がいいのでは、と考えられる。
増員アクションも含んで5手以上増えないといけないのでは、とも考えられるが、ややこしくなってきて自分の頭ではよく分からないためここではこのように考えさせて欲しい。

食料効率も考える

前項では分かりやすくするために敢えて省いたが、実際には増員することで食料が余分に必要となるので、食料が豊富に余っていない限り、増えた食料を確保する手数も必要となるため、前項のラインより増員を早くしないと、得点行動に費やせる実質の手数が増やせないことになる。
ここでは、食料効率、1ステージで何回食料行動が必要となるかが重要になってくる。

ケース 項目 3S 4S 5S 6S 得点行動に使える手数の(A)との差
3人家族1手3飯(A) 合計手数 6手 6手 6手 3手
うち飯 2手 2手 2手 2手
うち得点 4手 4手 4手 4手
3人家族1手4飯(B) 合計手数 6手 6手 6手 3手
うち飯 2手 1手 2手 1手
うち得点 4手 5手 4手 5手 +2手
4人家族1手3飯8R増員(C) 合計手数 7手 8手 8手 4手
うち飯 3手 3手 2手 3手
うち得点 4手 5手 6手 1手 +3手
4人家族1手4飯8R増員(D) 合計手数 7手 8手 8手 4手
うち飯 2手 2手 2手 2手
うち得点 5手 6手 6手 2手 +6手
4人家族1手4飯10R増員(E) 合計手数 6手 7手 8手 4手
うち飯 2手 2手 2手 2手
うち得点 4手 5手 6手 2手 +4手

上の表は、3ステージ以降で、3人家族、食料効率が一手あたり3飯の場合と比較し、得点行動に費やせる手数がどれだけ増加するかを表したもの。

表の(B)を見て貰うと、食料効率が一手4飯になっただけで得点行動が2手増えるのが分かる。

一方、表の(C)を見て貰うと、食料効率が一手3飯のままだと、8ラウンドという早めのラウンドで4人目を増やしたとしても、得点行動に費やせる手数は3手しか増えない。増築に4手使うとすると、増やせる手数以上に増築に手数を使ってしまっていることになる。

これらから考えると、一手3飯効率のままで4人目の増員をするのは、増築増員補助がない限り、3人家族でずっと行くのと比べて得点は伸びずむしろ下がる可能性すらある。4人目を増員するなら増員次第早期に食料効率を上げるか、むしろ部屋なし家族まで増員せず食料効率を1つでも上げる方が得点が増えそうだと推測される。

表の(D)を見て貰うと、一手4飯効率であれば8ラウンド増員の場合、得点行動は6手増えるので、増築に4手かかったとしても十分にお釣りがくる。

表の(E)のように一手4飯効率だと10ラウンド増員で4手増なので、このあたりが損益分岐ラインになりそうか。

まとめの指針

以上で指針をまとめると、

○一手4飯以上の食料効率(4人家族で1ステージでの食料に費やす手数が2手以下)でなければ、増員直後に食料効率アップが望めない限り、増員より食料効率改善を優先。

○一手4飯でも10ラウンド付近が損益分岐。増員が4ステージ以降になってしまう場合には食料が極端に余っていないかぎり、柵整備・畑整備・種準備・食料効率改善などを先に行って、5ステージで部屋なし家族で増員する。

この2つが指針となる。

食料効率を上げるには、かまど・調理場で食べているなら柵か厩を建てて、収穫で家畜を増やせるようにしよう。
暖炉で食べているなら小麦畑2を作ってパンにするための小麦は収穫で自動的に取れるようにしたい。
工場を取るのもありだが、できればそのための石は3軒目の増築準備に合わせて葦石木で先に準備しておきたい。
井戸や小進歩で降り飯を取れるようにするのもいいが、降り飯が最後まで続かないようなら降り飯がある間に終盤へ向けて食料基盤を強化する必要がある。

おわりに

今回は4人目増員の指針について考えてみました。
あくまで指針なので、4飯以上の食料効率がなくて増員優先しても、運よく豚2や牛2を取れれば何とかなるかもしれませんが、何がなんでも4人目増員ではなく、食料効率の重要性について考えるきっかけにしていただければありがたいです。